花の名前

秋の花をいけてみました

お散歩をしながら娘達に尋ねます。「この紫の花の名前、知ってる?」知らないと言う答えです。「これは紫式部と言うのよ。」と教えます。帰り道でまた聞いてみます。「この花何と言う名前だったっけ」娘達は段々と花の名前を覚える事に興味を持っていくようです。

このような会話は私が最初ではありません。私は同じような会話を亡き母としていました。

母は昔、いけばなの先生をしておりました。池坊という流派です。床の間には、母の花がいつも生けられていました。生花に使う花材は様々で珍しいものが沢山あります。私はその度に「この花は何と言うの?」と興味を持つ子供でした。

でも、私は習い事に華道を選びませんでした。茶道に興味を持ったのです。茶道でもお花を生けます。茶道では茶花(ちゃばな)と言って和の花を使い、利休居士の教え「花は野にあるように」、つまり自然な、どちらかと言うと素朴な生け方を好みます。

茶花には、普段見過ごしていた地味な花や、控えめだけれど珍しい花の種類が沢山あります。そのような花が蹲(うずくまる)という信楽焼の小さな壺や竹の花入に入ると実に生き生きと本来あったその花の美しさを見せてくれるのです。今時分は、ホトトギスやミズヒキ草など、もう少し経てば椿を一輪だけ挿すと言うのも私は好きです。私は茶道の先輩達に茶花の苗を頂いて庭の隅で育てていました。

マツカゼソウ

このようにして、私は更にお花に対する興味を膨らませたのです。

蕾(つぼみ)から開花していく花の様子は美しいものです。ひたすら一生懸命とでも言うのでしょうか。

私達が自然の生き物から学べる事は全てこの「ひたすら一生懸命」だと思うのです。

母は生花をしていた事や俳句を長年嗜んでいた事もあり、花の名前を沢山知っていました。私は母から沢山の花の名前を教えて貰いました。知らない花は辞典で調べて教えてくれました。私はなるべく花の名前を覚えていたいと思うのです。それがお花に対する敬意ではないかと思うからです。

あなたは花屋で花を買う時、知らないお花だったら名前を聞いた事がありますか。私はすぐに忘れるので、その度に聞く事にしています。

道端で野草の中に目に付く花を見つけたら、辞典やネットで調べてみるのはどうでしょう。

お花の名前を知っている事は、自分の心を嬉しくさせる事でもあるのです。


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