子育てはクリエイティブ 3

大自然を眺める姉妹です

昨年の11月に子育てに関して書き始めてから随分日が経ってしまいました。今回は長女が幼稚園から小学校に入学する頃、次女が幼稚園に入った頃のことを書こうと思います。

前回書きましたように、「全く性格の違う二人をどう育てるか」と言うことがその頃の私の課題でした。長女は口数の少ない大人しい子供でした。何事もよく観察していて、特に私のする事に興味を持っているようでした。キッチンの仕事は煩雑ですが、そのどれもが面白く見えるようです。いつも私の側から離れず、流しや調理台の上を伸び上がるようにして見ていました。三歳を過ぎた頃から出来そうな事を手伝わせました。私は嫌いな事を無理強いするより好きな事で娘達の個性を伸ばそう、と思っていました。チャンスを作ってあげる事が、一つの親の使命だと考えていました。例えば、夕食の支度に長女に手伝わせて鰹節を掻きます。掻き方を教えながら鰹節はどうやって作っているのかわかるように話します。コロッケを作る時は、パン粉をテーブルの下にこぼしても良いように新聞紙を敷いて、マッシュしたジャガイモを一緒に丸め、パン粉をつけながらジャガイモの話をしました。ジャガイモの芽には毒があるからしっかり掻き取らねばならないと教えました。長女にとって料理に参加するのは遊びです。とても楽しかったようです。包丁もペティナイフで握り方や切り方を教えました。

どんな事も子供が興味を持つ時がチャンスです。

一方次女は、幼稚園に入っても活発な子供でした。ある日帰宅して家に上がった途端、ザラザラと砂がこぼれ落ちました。聞けば、砂場でシャワー掛けごっこをしたと言うのです。そのせいで頭の中は砂だらけ、すぐにお風呂場に直行です。お風呂場で泡だらけになって「わたし、ソフトクリーム」と言って騒ぎ、いつも面白い発想をして家族を楽しませる子供でした。姉と違い家事には興味がなく、とにかく大の本好きで、幼稚園から戻るとすぐに本箱の前に寝転んで本の世界に潜り込んでしまいます。私はどこででも本が読めるように、本箱をランダムに童話ばかりでなく漢字混じりの児童書も入れて、家のあちこちに置いていました。当時の次女の好きな本は、トミー・ウンゲラー作「ヘビのクリクター」だったようですが、様々な本を好きに読んでいました。そして時々、皆で読んだ本の内容や感想を話しました。私は音読も好きでしたので、夜寝る前に読み聞かせを日課とし、私自身も楽しみました。

砂場で遊ぶ園児です

性格の全く違う子供達でしたが、二人はとても仲良しでした。次女はどこに行くにも姉に手を引かれていつも一緒です。当時の長女は奥手というのでしょうか、遊びの主導権は次女にあるようでした。でも次女は「ごっこ遊び」をする時も「お姉ちゃまがお姫様でいいよ。」と口数の少ない姉を常に気遣い、たてているようでした。教えたわけでもないので良い性格だなあ、と私は嬉しかった事を覚えています。口下手な姉が友達にからかわれて困っていると、小さいながらもムキになって相手にくってかかっている次女の姿に胸が熱くなった事もありました。

長女は三歳からバレエを、四歳から音楽教室に通い始めました。長女は背が高いのですが、ちょっと猫背でしたので姿勢を正すにはバレエが良いと思ったのです。音楽教室に通わせたのは、幼稚園の先生から「タンバリンをさせたらリズムを絶対に崩さないから、音楽の方に向いていると思います。」というアドバイスを受けた事がきっかけです。次女は姉のバレエのお稽古に私と一緒に付き添ううち、自然と練習をするようになり、半年後二歳で初舞台を踏みました。また、音楽教室は三歳から始めました。このように二人は性格も好みも違っていましたが、お互い助け合っているような所が随所に見受けられました。

子育ては全てが親子の歴史ですし、親の財産です。なぜなら子供の変化を親は楽しめるからです。

さて、楽しい事ばかりではありません。小学校に入った長女は入学まもなく登校拒否になってしまいました。その話は次回にさせて頂きます。


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