電車の中でのマナー

ラッシュが一段落する時間帯になるとほとんどの乗客が座席に落ち着き、吊り革にぶら下がる人はまばらです。座っている人も立っている人も、大抵の人はスマホに夢中です。

たまに本に引き込まれている乗客や車窓の風景を眺めている人を見ると、何だか嬉しくなります。私の心がスマホのなかった頃を懐かしんでいるのでしょう。

以前、車中で気に掛かっていたのは、電車の中での女性の化粧でした。私の時代と考え方が違うのでしょうね。身なりを整えてから出掛ける、それが当たり前で、人前で化粧をするなど恥ずべき事でした。でも、これも個々人の考え方だと割り切れば、それは彼女の問題ですし、いつか電車の中でメイクアップする女性達にも慣れました。

さて、私は靴が好きなので、ついつい足元に目が行ってしまいます。最近はパンツスタイルの女性だけでなくスカートの女性もスニーカーを履いている人を多く見かけます。

今、特に気になっている事があります。座席に座っている時の女性の脚の事です。パンツスタイルの女性はパンツと言う事で気が抜けたのでしょうか、男の人と同じ様に太ももから脚が広がっています。靴から視線を上に動かして「あらっ、女の人だった!」と驚く事があります。特に短めのスカートの場合、目のやり場に困る事があります。ご自分がどう見られているのか、全く気にならないのでしょうか。脚を広げて座るのは、決して美しい姿ではありません。

私は膝をつけて座るよう、躾られて育ちました。足先まで揃えなくとも、膝がくっついていれば無様な姿にはなりません。座席に座ったご自分の姿を、もう一度思い返してみて下さい。いつも『素敵なあなた』でいて欲しいので。

さて、私は最近「股関節の手術」をして、しばらくの間杖を持つ事になりました。家の中では全く歩くのに問題はないのですが、電車に乗って出かけるとなると、やはり不安です。

自分が杖を持ってみて気付いたのですが、意外と杖を持っている方は多いのです。満員電車で立つ事になった時、目的地まで自分が耐えられるのかいつも不安です。そんな時、杖を見て、さっと席を譲ってくださる方が居ます。私は感謝の気持ちでいっぱいになります。

電車の優先席の表示です。

昨今は優先席でも席を譲る人はまれです。優先席の窓に貼ってあるステッカーに気づかないのでしょうか。優先席に座った若者は寝たふりかスマホに夢中です。もう少し周りを見るゆとりはないのかと、残念に思います。

礼儀作法とは単なる方法ではありません。思いやりの精神に支えられているのです。

ご自分がして欲しいことを相手にも気遣う事なのです。誰にでも出来る事ではないでしょうか。


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