続・暮らしの中のマナー

公園で遊んでいる犬

前回「暮らしの中のマナー」では近隣や家庭に焦点を合わせて書きました。今回は「公共の場におけるマナー」について考えてみたいと思います。

乗り物でのマナー

車内で座席の上辺りに「ここは7人掛けです」、と表示してある電車があります。しかし車内が混んでいても、歩幅を広げて動こうとしない人や脚を組んだ人がいて6人半くらいになっている時があります。勇気を持って半人分の席に入る人は少ないようです。荷物を膝の上に乗せ、一人でも多くの人が座れるようにするお互いの心遣いが大切だと思います。座るときは「失礼します」と一声かけるのが礼儀です。

昨今は優先席が名ばかりになっているようです。杖を持った人や具合が悪そうな人が前に立っていても知らんふりです。中年の男性や若い男女が優先席に堂々と座っている姿を見る度に残念な気分になります。どうして「お座りになりませんか。」と言う一言が言えないのでしょうか?それがマナーであり心遣いだと思います。私は手術後、しばらく杖を使っていました。何度も思いもかけない場所から「どうぞ」と声をかけて頂き、席を譲って貰いました。本当に有り難いと思いました。私は「ありがとうございます。」と言って座りました。私は、吊り革に捕まって立っていられる事が健康の証のように思えます。

本来の優先席の意味を私たちは認識すべきだと思います。

いつでしたか、優先席の前でベビーカーを押した外国の家族が座っている人たちに腹を立て、「優先席の意味を知っているのか?」と、男性が大声で怒鳴っている場面に出くわしました。座っていた女性達は怯えたように立ち上がり車両を替えました。気まずい雰囲気でした。日本人はどちらかと言うと気配を感じると申しますか、外国の人のように権利を盾にとって直接罵倒したりすることは少ない民族です。言い方によっては、言われる方もすんなり受け入れられるものです。日本が好きですと言って下さる外国の方は多いのですが、このような時の対処法が難しいと思いました。マナーは人と人のコミュニケーションを円滑にするものです。ですが、席を譲ると言う行為が口論や一方的な罵倒の材料になっては何にもなりません。国際化が進んだ今、これは難しい問題だなと思いました。

人とぶつかった時

この時のマナーをあえて取り上げました。道を歩いていて人とぶつかってしまう事があります。その時あなたはどうなさいますか?大抵の方が黙って急ぎ足で通り過ぎて行かれます。どちらかから「失礼しました」と一声お詫びがあったらどんなにスタイリッシュでしょう。そしてどちらともなく「いいえ」と言うお返事があったらと考えてしまいました。このような時、大抵はお互いの不注意が原因です。

こんな経験をしました。家族で楽しく話しながら歩いていた時の事です。向こうから若い男性が端っこに居た私の方に寄って来て、いきなり蹴っ飛ばして過ぎ去りました。これはマナー以前の問題です。人に不快な思いをさせない事がマナーですが、この行為は何かの八つ当たりとしか思えません。痛かったですし、不快でした。公共の場では多少の心の余裕を持っている事が大切だと怒りを抑えながら思った瞬間でした。

ペットのマナー

ペットで犬を飼っているお宅は多いようで、散歩道で犬を連れた方によく出会います。人と行き交う場合、リードを短めにして端に寄って犬を自分の近くに引き寄せて歩くのがマナーです。でも、一度こんな目に遭いました。4家族、つまり4人がそれぞれの犬を連れて話しながら向こうから歩いてきました。その方々は横に広がり、私は通り抜けられませんでした。「すみません。もう少し端に寄って貰えませんか?」と声をかけましたら、その中の一人が「犬が大将なんだよ。」と道の真ん中に立って言い放ちました。他の人たちが道をあけましたので私は通り抜けましたが、何とマナーのない人かと呆れました。ペットを飼うのは自由ですが他人に嫌な思いをさせない気遣いが大切です。これはどんな動物に対しても言える事です。飼っている人にとっては最高の相棒でもペットを嫌いな人もいる事を忘れないで欲しいものです。

公園に犬を飼っている人達が集まって早朝や夕暮れ時に大声で話したり、吠えさせたりする事も近所迷惑です。公園の話し声や笑い声はよく響きます。犬と犬を触れ合わせる事は大事かもしれませんが、その周りに人が住んでいると言う事を忘れないで欲しいものです。このような気遣いもペットを飼う上の大切なマナーだと思います。


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