和菓子の日をご存知ですか?

日本では6月30日に食べる和菓子です

お茶の世界に和菓子は欠かせません。昨今、和菓子は美しいだけでなく健康的なスイーツだと人気です。

お抹茶を頂く時、その苦味を和らげ、胃への負担を軽減する為には和菓子が欠かせません。煎茶、玉露、番茶と言った日本茶は二煎目のお茶の味を補うように和菓子を頂きます。私は2022年6月22日のブログで和菓子の食べ方について書いています。お茶にはそれぞれの種類に合った和菓子があり、そのご紹介と食べ方と言う内容です。

「六月」はまさに和菓子の月と言っても良いでしょう。6月16日は「和菓子の日」とされています。

これは全国和菓子協会が嘉祥(かしょう)と言う文化を復活する為に設けたものです。この日には嘉祥(かしょう)饅頭とか嘉祥羊羹とかの嘉祥菓子と言われる和菓子を頂くのですが、ご存知でしょうか?

「嘉祥」とはめでたいと言う意味です。そのいわれは、仁明天皇が西暦848年、嘉祥元年の6月16日に16に因んだ菓子を神前に供え、厄除招福を祈願されたからだそうです。今年、我が家では16日の日に神棚に供えていた嘉祥蒸し羊羹を切って、お煎茶と共に頂きました。もちろん、厄除招福を願ってのことです。このような記念日をうまく生活に取り込むと暮らしのアクセントになりますね。

和菓子の日に食べた嘉祥羊羹です

今月末(6月30日)は夏越の祓と(なごしのはらえ)という神事を神社では行います。

夏越の祓とは一年の折り返しになるこの日に茅の輪をくぐり、自身の罪・穢れを祓って無病息災を祈願するものです。神社では30日とは限らず数日前から茅の輪(ちのわ)を用意してあります。知らずに神社に行き、神殿の前にあるこの大きな輪は何だろう、と思われた方もいらっしゃると思います。この茅の輪は茅(ちがや)と言う植物で編んだ直径数メートルの輪です。神社に設置されたこの輪をくぐるときは、唱え詞を唱えながら8の字を書くようにくぐって無病息災を祈願します。

その日に食べる和菓子に「水無月(みなげつ)」があります。「水無月」とは6月の異名です

この和菓子が出来た謂れ(いわれ)を申ますと、昔京都では、暑い盛りに高価な氷を庶民は食べる事が出来ませんでした。そこで氷に似た和菓子を食べて夏バテ防止の暑気払いをしたと言うのです。お菓子は三角形に切って氷に見立てた白外郎(ういろう)の上に小豆(あずき)を乗せて固めた生菓子です。白外郎の上の小豆は邪気を払うと言います。京都では6月になると、どこの和菓子屋さんの「水無月」にしようかと話題になるほど有名だと聞きます。

雨の多い6月ですが、熱い日本茶を淹れて和菓子を頂くのは心が落ち着き良いものです。そう言えば、私の亡き祖父は「暑い時ほど暑いものを」とよく言っていました。体の芯を冷やさないよう、と言う教えだったのでしょう。


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