家族の毎月のイベントを続ける意味

移ろいゆく日々を感じさせる幻想的な月です

家でのイベントについてのお話です。私は30年程お茶(抹茶や煎茶)や礼儀作法を教えていましたので、季節ごとにお茶事をする事も多く、家族もそのイベントを大切にしていました。

一月はお抹茶の一服で新年を始めますが、手作りのお節を頂いた後には大福茶を淹れて家族の幸せを祈ります。(大福茶とは煎茶や番茶に梅干しと昆布を入れた祝儀茶)

二月に入ると、梅の花を飾り、炒った大豆や昆布などに熱々のお番茶を注いで節分の茶会を開きます。三日の夜には家族の誰かが鬼の面を被り、鬼を追いながらその動きの面白さに笑い崩れながらの豆まきです。そして、歳の数の豆を頂いて一年が健康であるよう祈ります。

三月三日には、雨水頃から飾っていたお雛様に娘達の幸せを祈りながら、ちらし寿司や蛤のお吸い物を作り、家族でささやかなお雛祭りを致します。

四月は新入生や新入社員、転勤といった方達とのお付き合いで忙しくなります。

五月は端午の節句、お茶の時間に柏餅を頂き、菖蒲湯にして家族の健康を願います。

六月や七月に入ると、玉露や上煎茶を使って冷茶を淹れます。七夕では笹竹に願いを書いた短冊などを結んで飾り、七夕の茶会を楽しみます。

八月はお盆の月、仏様に果物などのお供物を用意し、心を込めてお茶を淹れて備えます。

九月や十月になると観月会と称してお月様にススキを飾りお団子をお供えして、お月さまに感謝の気持ちを込めてお茶会を開き、私達家族も月を愛でながらお茶やお菓子を頂きます。

十二月に入るとすぐに「おぜんざい会」を開きます。年末まで大掃除、クリスマス、お節料理の準備など女性には忙しい日々が続くので、おぜんざいを頂いて皆で元気に過ごそうと言う訳です。

過ぎゆく日々を記憶する暦です

このようなイベントも、外に出る仕事が多くなったり、子供が成長し家族の状況が変わった為に、段々と変化し縮小致しました。そして昨今は私の年齢も重なり、病気になり以前ほど精力的に動けなくなりました。

近年は、お正月も新年を祝う気持ちに変わりはありませんが、全て手作りだったお節は有名レストランから取り寄せています。ただし皆の希望で、鶏肉のオレンジ揚げと紅白なます、黒豆は今も作り続けています。そして、初詣の後にゆっくりお屠蘇を頂き、シャンパンを開けお節を味わう事にしています。

三月三日のお雛様も七段を飾ったのは昔の事、今は玄関に陶磁器で出来た男雛と女雛を飾り、ちらし寿司や蛤のお吸い物でのお雛祭りになりました。

お茶会を開く事は無くなりましたが、七月になると冷茶を淹れ冷たくした和菓子を頂きます。

九月や十月になり月の輝きの増す夜には、温かい緑茶と和菓子あるいはお抹茶を点てて夜の「お茶の時間」を過ごし、家族でお月様を眺めるひと時に心が潤います。

十二月になりクリスマスには、家族や特別な友人達とシャンパンで祝い、あたふたと簡単な大掃除をして新年を迎える準備をします。

このように形は変わってきましたが、それでも家族のイベントを続ける事は大切だと考えてきました。一年が経つのは本当に早いものです。家族の誕生日を祝うのはもちろんですが、何かしらのイベントを決めて生活のメリハリをつける事は、季節を愛でる意味でも、家族の歴史を作る意味でも必要ではないかと常々思っています。

移ろいゆく日々を感じさせる幻想的な月です
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