今日は三月三日、雛祭り。女児のいらっしゃるご家庭では、お雛様を飾り、お祝いの夕食で賑わっているのではないでしょうか。ところで、家で「春はいつからの事を指すのだろう」と言う話になりました。
立春を過ぎた頃から太陽の光が一段と眩しく感じられる時があります。ロシアでは「光の春」と言うそうです。以前雑誌で春の女神は野や川べりに小さな足跡をつけるとあり、「音の春」(川のせせらぎや小鳥の囀りなど)と言う言葉がある事を知りました。気象学的には春は3・4・5月、夏は6・7・8月、秋は9・10・11月、冬は12・1・2月と決まっているそうです。また、天文学的には、春は春分から、夏は夏至から、秋は秋分から、冬は冬至からだと言います。そう言えば、祖母が「暑さ、寒さも彼岸まで。」とよく言っておりました。結局、一番リアルな季節の感じ方は、天文学的な決め方かな、と言う結論に家ではなりました。そうは言いましても昨今は想定外の事ばかりが起きるように思います。この美しい春を精一杯楽しみたいものです。
山家集で有名な西行法師の辞世の句に「願わくは花のもとにと春死なむ その如月の望月のころ」とあります。如月とは旧暦の2月15日とされています。今で言うと、3月の中旬から下旬の頃と言います。お釈迦さまがお隠れになった同じ頃に私も死にたいものだ、と西行は常々語っていたとあります。確かにこの時分には花が咲き誇り、一番美しい季節を迎えます。今も花の名所、特に桜はお花見の筆頭でしょう。いつでしたか、千鳥ヶ淵の桜を見に行きましたら、観桜客の多さに圧倒されてしまいました。
早い年では二月の末から三寒四温といった陽気の定まらない日が続きます。それだけではありません。花粉は飛び交い、コロナも変異を重ねておさまらない、まことに凌ぎにくい日々が続きます。そうしながら、どんどん気温が上がる、気がつくと桜は満開になっていると言うのがこの三月の様子でしょうか。
陽気はさておき、春は何と言っても勢いがあります。「山笑う」と言う俳句の季語がありますが、芽吹いた緑は美しい。道端の野草にも輝きがあります。見上げると優しい青空が広がっています。飛行機雲を目で追っていると、ついどこかへ出かけたくなりますね。
MAIさんの演奏で「幻想曲 さくら さくら」をお届けします。ピアノの音色で桜の咲き誇っている様子を思い描いて頂けたら幸いです。
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