旅の思い出 マドリッド(スペイン)

マドリッドのドンキホーテの像です

もう一度訪ねたい国の一つにスペインがあります。以前、簡単にその時の印象を書きましたが、もう少し付け加えたいと思います。

訪ねたのはかなり前の事で、私もずいぶん若かった時です。その旅は友人夫妻と一緒でした。奥様と意気投合して、お二人に一人ではとても行けない場所にも連れて行って頂きました。初夏の頃だったと思いますが、街にある建物に摂氏42度と表示してあり驚きました。暑いとは思いましたが、そこまで感じなかったからです。それはマドリッドが湿度の高い日本と違い、湿度が低くサラッとしていたからです。宿泊したホテルは星つきだと言う事でしたが、何とも古いホテルでした。部屋は広かったのですが、トイレの電気が故障していました。フロントにその件で電話をしましたが、英語が通じなかったのか、「イエス」と言いながら誰も修理に来ませんでした。古い、由緒ある事がホテルの売りのようでしたが、何だか落ち着きませんでした。この時、星付きだけでは信用ならないと思いましたが、私ももっとスペイン事情について調べて行くべきでした。

有名なプラド美術館にまず足を運びました。入り口には、身長が2メートルはあろうと言う赤い制服に身を包んだすごいイケメン男子が立っていて緊張しました。「ここから入ってよろしいですか?」と恐る恐る聞くと、身体を折り曲げるようにして笑顔で教えてくれました。

館内は広く威厳に溢れていると言う印象を受けました。展示されている数も多く、全部を観て回る事は不可能です。館内の案内図を見ながら観たい所に動きました。有名な宮廷画家であったベラスケスの「ラス・メニーナス」「青いドレスのマルガリータ王女」などの作品群には釘付けになりました。また、ゴヤの「裸体のマハ」「着衣のマハ」2作品を堪能できたのは幸運でした。この作品が見つかった時、「着衣のマハ」の後ろに隠すように「裸体のマハ」が重ねて置いてあったと言うガイドの話は印象的でした。時間が足りなくて、まだまだ観たりなかったという残念感が今もあります。

スペインはとにかく夜が楽しいところだと聞いていました。

フラメンコのお店に行きました。大体9時ごろから始まるのですが、早めに行ったせいで舞台の隅で二人のギタリストが練習をしていました。数人のダンサーが舞台の袖でタップの練習をしていました。始まる時間まで間がありましたので、奥様と私は許可を得て舞台に上がり、ギタリストの音に合わせてフラメンコの真似事をして楽しませて貰いました。本職にはとてもかないませんが、拍手などもらったお茶目な思い出があります。もちろん、本職のフラメンコも観ました。夜が老けるに従って上手なダンサーが登場してくるのですが、次を急がなければならなくて、最後まで見届けられなかった事は惜しまれます。

スペインの夜は本当に長いのです。ヨーロッパは概ねそうですが、大人の文化なのです。ご夫妻に坑道の中が酒場になっているお店に連れて行ってもらいました。人気店なのでしょう、満席です。私はご夫妻と離れて大柄なスペイン女性の隣に案内されました。私はサングリアとおつまみを頼みました。サングリアは大きなジョッキで出てきました。片言の英語で隣の女性に自己紹介をしました。そうこうするうちにそのスペイン女性がニコニコしながら肩を組んできて、店内に流れる音楽に合わせて身体を揺らしながら歌い始めました。言葉は分かりませんが、お互い高揚する気持ちに身を任せ、一体感を味わいました。

そう言えば、マヨール広場は大勢の人で賑わっていました。実は買い物もゆっくり楽しみたかったのですが、お店を巡るだけで精一杯でした。また惜しい事に地元のバルにも行っていません。あとスペインと言えば、アルハンブラとバルセロナも訪ねてみたい所です。

私の旅の楽しみとは、その地を歩き、風を感じる事です。もっともっと散策して人や物に触れてみたかったと残念に思います。

このように、宿題をたくさん残したスペイン旅行でした。


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