やはり一回では書き終われない能登の旅です。
2日目はタクシーで隣町の羽咋(はくい)まで行きました。
私はこちらの「気多大社」(けたたいしゃ)に是非参拝したいと思っていました。
十月ということもあり参拝者はほとんどいません。古い由緒ある神社です。「入らずの森」と言う、人が入ったことの無い森が神社の裏手に、日本海に至るまで広がっていると聞きました。そこには素戔嗚尊(すさのおのみこと)が鎮座されていらっしゃると言います。何ともミステリアスな所です。能登を旅される方は是非参拝なさったらいかがでしょう。縁結びの神様としても有名だそうですよ。
さて、お昼を摂ろうと、羽咋のタクシー運転手さんに探して貰いましたが、あいにくお薦めのお店は全てお休みとの事。仕方なく一件だけ開いているお土産品店を兼ねた食事処のような所に入りました。この建物の向こうは日本海が広がっており、日本で唯一砂浜で車を走らせられる所らしいのです。私達は果てしもない荒々しい日本海の波のうねりと強い海風に浸りながらしばらく遠い沖を見つめました。
そして、この日本海との出会いが強い能登の印象として残りました。
疲れきって宿に戻りました。旅館のスタッフは皆さんとても気が利き親切です。「お疲れになりませんでしたか?」の一言に心が安らぎます。
温泉の話を書いていませんね。温泉は透明で塩分を含んでいてちょっと熱めです。露天風呂は七尾湾の海と一体化するような造りになっています。温泉を出るとアイスなどが置いてあり、しばらくロビーに座って火照りを冷まします。その周りにも美術品や伝統にならった置物が並び、目を楽しませてくれます。
今夜の夕食は何かと期待が膨らみます。一息ついて、食事をする個室に向かいます。あまり飲めない二人ですが、お品書きを見ると日本酒を頂きたくなります。昨夜とは違う日本酒を選びました。昨日に引き続き、頃合いを見計らったかのように次々とお料理に相応しい美しい器が運ばれてきます。絶品のお料理ばかりです。口福と言いますが、大口福です。料理長の心尽くし、客を喜ばそうと言う愛情さえ感じました。食事も終わろうかという頃、突然、写真屋さんが登場し驚きました。旅館のお計らいで記念写真を撮って下さるとの事らしいのです。この時のお写真はチェックアウト時に記念として頂きました。
書き忘れましたが、朝食もご飯は炊き立てがお櫃に入れて運ばれ、スタッフの細やかなお世話でお盆に乗った10種以上の小鉢・小皿のお料理を頂きます。美味しかったのはもちろんのことです。お水の入ったグラスさえもなかなか見つけられない手作り風の美しいものです。
能登の天気は変わりやすい、との事で能登の人々は傘の用意を忘れないと聞きました。私達も羽田でいきなり行先の変更を強いられました。しかし東京に戻るその日は天候も戻り、陽がさしています。
出発時間までスタッフの方に得寮庵をじっくり見学させて頂いたり、売店を覗いたりゆったりとした時間を過ごしました。茶室から見た静かな七尾湾が心に残りました。
名残惜しいといつまでも思わせる旅でした。
加賀屋別邸・松乃碧 https://www.matsunomidori.jp
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