これからは気候も良くなりゴールデンウィークを控え、お出かけには最適です。少し遠出をしてみませんか。今回ご紹介するイタリアンレストランは箱根の仙石原にあります。
私は娘たちと3月、2泊3日で箱根の仙石原の方に出かけました。箱根の山はうっすらとピンク色に染まっているようにも見えるのですが、まだ尾根には雪が筋になって残っていました。数日前、春を撹乱するように降った雪のせいでしょう。路肩にもまだ雪が固まっていました。でも、ホテルの食事だけではつまらないので、寒い中、近隣を散策しながら予約していたレストランに向かいました。夜の仙石原は明かりがないところは闇、夜空には東京では見られないほど大きな星が瞬き、色んな星座を探して楽しみました。
ところで、私はフレンチよりも気楽と言う感じがあり、イタリアンをよく食べに行きます。この「アルベルゴ バンブー」と言うイタリアンレストランは「白亜の洋館」と言われていると言う事でしたので、どんなお店だろう、お料理はどうかしらなど興味シンシンでした。
闇の中からいきなり照らし出されたそのお店は、木立の中に聳えるようで、白い外観は確かにイタリアにある別荘のように見えます。
周りの暗闇にひっそり佇む木立を見下ろしながら大理石の石段を上って行くと、重々しいマホガニーのドアが待っていました。そのドアを押して中に入ると、正面にレセプション、右手にゲストルームがあります。内装は全体に温かみのある柔らかなクリーム色でまとめられています。すぐにメインダイニングに案内されて着席し、あらためて周りを見渡すと、2階に上がる階段の鉄製の手すりがまず目を惹きます。イタリアの職人が、一年がかりで叩いて作ったと後で知った優美な手すりです。その向こうのおおらかなフレスコ画もしっくりその手すりにマッチしていました。ところどころにさりげなく置かれたイタリア製の家具やファブリックにも嫌味がありません。
お料理の話に移りましょう。まず、私たちが頂いたこの夜のメニューを簡単にご紹介します。
アンティパスト(前菜)… 大きめのホワイトアスパラガスにチーズを削ってのせた一品。お醤油に少し漬けた卵の黄身がつけて出され、この黄身と共に頂きます。
フリット… わかさぎと桜エビのフリット。グリルされたミニトマト添え。
ズッパ(スープ)… 豆入りのミネストローネにグリッシーニ添え。
プリモ ピアット(第一の皿)… タリアッタレ(平打ち麺)と足柄牛ラグーポロネーゼ。
セコンド ピアット(第二の皿)… ①青森県真鴨の炭火焼伊豆西浦産ポンカンのピューレ添え
②箱根自家製ローストチキン
③本日の沼津港からのお魚料理
ドルチェ… ①ティラミス
②緑茶のモンブランに桜の生クリーム
③プティシューとピスタチオのジェラート
カフェと小菓子 塩キャラメルと八朔のチョコレートがけ
少しお料理の感想を書きます。
とにかく、地元からだけではなく取り寄せられた食材のひとつひとつが新鮮です。ホワイトアスパラの上に乗せられた削りたてのチーズが、アスパラガスの繊細なお味によくマッチしています。わかさぎや桜エビは採りたてを調理してあるのか歯触りも心地良く美味です。タリアッタレは手打ちのようで、もちっとした感じとソースが絶妙に絡みます。
メインディッシュであるセコンド ピアットに私は鴨肉を選びました。鴨の脂っこくない肉質が好きで、今までにも度々頂いてきましたが、こちらは肉厚の塊で、通常出されるスライスされたものとは食感が違います。鴨には、柑橘系のソースをよく合わせますが、ポンカンというのは初めてでした。いくらか苦味もあり旨味を閉じ込めた炭火焼きの鴨によくマッチしていました。娘が頂いた自家製のローストチキンを試食しましたが、こちらの代表的なお料理に相応しく味わい深いものです。また、お魚は新鮮な「黒むつ」でした。アサリが入った青さのソースとのマッチングは目にも鮮やかで美しく、海を思い出させるお味でした。
それぞれに違ったドルチェを頂き、お腹は充分な満足を訴えていましたが、紅茶に添えられた小菓子(塩キャラメルと八朔にチョコレートをかけてあるもの)がまた、何とも言えない美味しさです。
きっと季節ごとにお料理が変わるのでしょうが、どのようなものを出していただけるのかしらと先の事まで期待させました。
私たちはまだ昼間のお店の雰囲気を知りませんが、パンフレットによると、この建物はオーナーでいらっしゃる竹内様の思い入れのあるものだそうです。コッポラ監督の映画「ゴットファーザー」から着想を得て何度もイタリアに通い、優秀なスタッフをイタリアやアメリカから得て8年の歳月をかけて完成されたと紹介されています。
広い敷地に建つこの館は、ウエディングやイベントにも利用されるそうです。明るい陽射しの中での館はまた違った印象を与えるのでしょう。とにかく、オリジナルに富んだ心に残るお味とワクワクするようなお店だったとお伝えしたいと思います。
紹介のお店 「アルベルゴ バンブー」
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