花の力

花の力を感じさせるバラです。

2022年11月10日に「花の名前」と言うタイトルで花の事を書きました。私は娘たちと散歩をする時、歩道の側に植えてある花を指しては名前を知っているのかどうか尋ねます。それで娘たちが答えられなかったら、知っていれば花の名前を教えて覚えるように勧めてきました。実は、同じような事を私は亡き母ともしていました。一般に花が好きと言っても名前すら知らない場合が多いものです。花に詳しかった母は、花の名前を知っている事は花に対する敬意の表れだ、と私に伝えたかったように思います。

私の子供時代と違い、花の種類が増えました。日本の在来種に加え輸入される花々が加わったからです。花屋さんで花の名前を教えて貰っても難しい名前が多く、忘れる事が多々あります。何度聞いても覚えられなくて、買ったばかりの花を見ながら残念な気持ちになります。

ところで、なぜ花は美しいのでしょうか?

花はただ美しいだけではなく、一生懸命咲こうとしているひたむきな姿が人を感動させるからだと思います。お花を贈られるのは嬉しい事です。また、私は贈る事も好きです。テーブルの上の花瓶に花があるだけで元気を貰えます。どの花も本当に美しいと思います。病気になった時、ベッドの横に花があるとエールを貰ったような気がしました。花には元気と言うエネルギーをくださる妖精さんが住んでいるのかも知れません。

ところで、最近の花にはほとんど香りがありません。

お見舞いに花を持って行く人が少なくなった事と関係があるのでしょうか。確かに強い香りは患者さんには辛いと思います。健康な娘でも百合の香りがきついとその匂いを嫌います。香りを無くした花達は御見舞い用の花でしょうか?

でも、私は花屋さんに入ると、顔を近づけて香りのある花を探してしまいます。

なぜなら香りはその花の個性だと思うからです。子供の頃、「仏壇に供える『キンセンカ』を切ってきて」と祖母に言われ、その独特の匂いにヘキヘキしました。バラ、水仙、百合、立葵、グラジオラス、ムラサキツユクサ、などなど。ほのかな香り、うっとりする香り、吸い込まれそうな香り、優しい香り、甘い香り‥。

香りのない花は翼をもがれた鳥のようです。通りを歩いていて、バラを育てている御宅のフェンスから伸びているバラの花に顔を近づけてみました。ピンクベージュの大輪の美しいバラでしたが何の香りもしませんでした。昔、「バラの香りにむせる」とか、「香りが窓から入ってきて私を起こしてくれる」とか、本で読んで憧れました。ですので、今でも「香りのある花はありますか?」と、つい聞いてしまうのです。

我が家の小さなベランダには、ラベンダーが大きく育って、風に揺れ、触れる度に癒しの香りを放ちます。ゼラニュウムの花やそれからミニバラが一株だけですがかすかに甘い香りを漂わせて慰めてくれます。花が少ない時にはローズマリーなどのハーブを切って瓶やコップに挿します。すると、爽やかな香りが楽しめます。

梅雨明けまでもう少しです。

閉め切った部屋に、ほのかな香りを放つお花や緑のみずみずしい植物があると本当に癒されますよ。

雨の今日、我が家のテーブルには一本のカサブランカが大輪を開いています。この花は、花びらを一枚ずつ丁寧にめくるようにして開いていくのです。朝起きた時、柔らかな気品に満ちた香りが漂っています。


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