次女が誕生して、私は子育ての方針を変えました。次女を長女と一緒に育てようと思ったのです。長女は幼稚園に行くようになりましたので、その間が次女とのひと時と言う訳です。
当時、自宅で煎茶道と礼儀作法を教えていました。お弟子さんは私より年長の方がほとんどで、お稽古中は育児経験者のお弟子さんが、次女をあやしてくれました。また時には、料理上手なお弟子さんにおでんなどをお稽古の合間に作って貰い、助けて頂きました。
長女は幼稚園から戻ると、すぐに次女のベッドに直行します。次女の入浴には進んでお手伝いをしたがります。長女の次女への接し方を見て、出来ると思う事は何でもさせてみました。でも、たまには長女を抱きしめて、私が長女を誰よりも信頼している事を話しました。
長女は口数が少ない子供でしたが、キッチンのお手伝いを始めとして、私のやる事にとても興味を持っている様子です。2歳の頃から、プラスチック製のおもちゃを使ってお茶を入れる真似をして遊ぶ事が好きでした。ですから、徐々に畳の歩き方や座り方など遊びとして教えていきました。一方、次女は活発で、一人遊びが上手です。ハンカチ一枚あるといつまでも楽しく遊べる子でした。
私は二人ともよく抱きしめて愛情を示しました。言葉を充分に理解しない子供への意思伝達は、スキンシップだけだと信じていたからです。
私はそれぞれの子供にあった表現方法を探してあげたいと思っていました。それで長女が3、4歳の頃、夕暮れの外の景色を眺めながら「葉っぱがパラパラ落ちているわね。葉っぱはどんな気持ちなのかなあ。葉っぱさんになってごらん。」と言いました。長女はその景色から目を落として、とても困った顔になりました。何をどうしていいのかわからないのでしょう。ちょっとやり過ぎたかなあと思いました。
次女が3歳になった時、同じ事をさせてみました。次女は喜んで家中を踊りながら駆け巡り、「ママ、見て、見て。葉っぱさんよ。」と得意顔です。やはり困惑顔の長女とは対照的でした。
大人になった長女に、その時の気持ちを聞いたことがあります。長女は「どこの家でもこんな事するのかなあ。大変だなあ」と思って泣きそうだったんだと言うのです。
4歳になった頃、長女は音楽教室に通い始めました。お教室ではオルガンを使っていました。でも、早生まれのせいなのか、長女はなかなか飲み込みが悪く、オルガンに向かっても楽しそうではありません。それでも、家に戻ると紙鍵盤を広げて、その上で一生懸命指を動かしているのです。長女は、お教室でできなかった事が悔しいのでしょう。。私は長女はピアノに向いているのではないかと思いました。
しばらくしてアップライトのピアノを買いました。長女はとても嬉しそうです。私は音楽の楽しさをもっと知って欲しいと思い、クラシックの演奏会にも進んで連れて行きました。
次女といえば、長女が通っていたバレエ教室でよく真似をしていました。そして、2歳で初舞台を踏んだのです。
このように全く性格の違う二人をどのように育てていくかが私の課題になりました。
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