母が教えた簡単豚肉煮物のレシピ

美味しい豚肉と昆布の煮物です

母は変わった考え方をする人でした。私は子供の頃、ほとんど手伝いをした事がありません。母の考えでは、「全ての事は本を読めばわかる」なのです。例えば、小学生の頃「ミシンで布を縫う」という宿題がありました。私の場合、宿題をするのは母です。それより本を読む事のほうが大事だ、と母は言います。「本を読んでミシンが踏めるの?」私には疑問でした。でも、母に押し切られて、言われる通りに私はミシンを踏む母のそばで、黙って本を読んでいました。私は、小さい時から祖父がしている掃除や木材の線引きなど、大人たちの仕事が面白そうに見えて仕方がありませんでした。それで、お掃除は祖父にそっと聞いて、無駄のない掃き方、雑巾のかけ方を教えてもらいました。そして、時々箒を持って掃き、感触を楽しみました。恐らく、無口な私は、気の利かない可愛げの無い子供だったのだろうと思います。ミシンに関しては、私の思ったとおりでした。本を読んでもミシンがかけられるわけはありません。嫁ぐ時に、母からミシンは必要だと持たされましたが、不思議な気分でした。

同じように母の考えで、私は子供の頃お台所に入れて貰えませんでしたが、母はお料理が上手でした。母自身は弟や妹が多かったので小さい時から手伝いをした、と言っていました。ですから、母のお料理は年季が入っていて、計量器具も使わないのに美味しいのです。私が子供の頃は祖父母の為の料理、子供のための料理といつも2種類の違った主菜が食卓に並びました。祖母が長生きをしたのも母の手料理のお陰ではないか、と私は思っています。母は毎日、お盆に5種類ほどのおかずを小鉢や小皿につぎ、祖母の口もとまで運んで食べさせていました。

私は家事をほとんど独学で学びました。本やテレビで勉強し、友人宅で友人の動きを観察して効率の良い動きが出来るよう、私なりに工夫をしました。特にお料理は2年ほど料理教室に通ったとは言え、料理本数冊がボロボロになる程料理を作りました。しかし、いまだにトラウマなのか、編み物はするのに縫い物は苦手です。結局、ミシンはほとんど使いませんでした。

嫁いで随分経ったある時、実家に帰ると玄関まで美味しいにおいがしてきました。

お台所に行くと、母は料理の真最中でした。「美味しそう。作り方教えて。」と言って習ったのが、今回ご紹介する「豚肉と昆布とこんにゃくの煮物」です。私が母から教わった料理は数少ないのですが、これは実に簡単で美味しい逸品です。ご飯のおかずにぴったり。「豚の角煮」の家庭版だと思って下さい。

『豚肉と昆布とこんにゃくの煮物』

材料

豚バラ肉 ブロックで300gほど

昆布  30g〜

こんにゃく 一枚くらい

水   1リットル

調味料

砂糖    約大さじ4〜5杯

しょうゆ  約大さじ4〜5杯

料理酒   約大さじ3杯

準備

豚のバラ肉はブロックを一口大に切っておく。

昆布は濡らして幅が広かったら縦半分に切り、結んで結び昆布にしておく。忙しい時はさっと濡れ布巾かキッチンペーパーで拭き、10センチ位の長さに切るだけで良い。昆布は分量より多めで良い。

こんにゃくは5ミリ幅に切り、その一枚の中央に切り込みを入れ、半分をひっくり返して捻っておく。急ぎの時は5ミリ幅に切るだけで良い。この厚さはお好みで。

作り方

鍋に結び昆布を並べたり、切ったままの昆布は鍋底にしいたりして、水から沸かしておく。

フライパンを熱し、バラ肉を入れて片面ずつ焼いて色がついたらキッチンペーパーで油を落として昆布の入った鍋に移してゆく。

鍋にこんにゃくを入れる。

煮汁にアクが出てきたらこまめに取る。

砂糖、料理酒、醤油を加え、一度沸騰したら火を弱めて煮る。

途中で味を見る。1時間以上煮る。煮込むほど美味しい。

煮詰めていくので最初からあまり濃い味でない方がいいようです。私は干し椎茸を水で戻したものを常時冷蔵庫に作っているので、水分が少なくなった時にはその椎茸や椎茸汁を入れる事もあります。

本当にざっとした料理です。このブログを書く為に今回初めて分量を計ってみました。それぞれにご家庭の味がありますので、お好みの味に加減なさって下さい。この料理は、娘たちが好きなので今でも時々作ります。倍量にして作り置きにすると良いです。


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