入梅の頃:旬の美味いもの

梅の木になった梅です。

急に蒸し暑く感じられる様になってまいりました。6月11日は「入梅」(にゅうばい)です。

実際は気象庁の発表する「梅雨入り宣言」で私たちは梅雨に入ったと実感するのですが、「入梅」とはあくまでも暦の上で梅雨に入った事を言います。「梅」という字を使うのは、この時季、梅の実が熟するからだとされ、平安時代には梅雨を「つゆ」と言わずに「ばいう」と言っていたそうです。梅雨は入梅から大体1か月と言われますが、昨今の気象に関しては予想通りでない事が多くなっているようです。今年もすでに5月16日に九州南部が梅雨入り宣言を致しました。

この時期の食について書いて見たいと思います。

この頃最も美味しいと言われる魚は「鰯(イワシ)」です。6月に水揚げされるイワシを「入梅イワシ」と言い、最も脂が乗っていて美味しいと言われます。でも、祖母は梅雨の頃に生魚を食べるのは体に良くないと言って、子供の頃お刺身を食べさせて貰いませんでした。私はイワシを始めとした青魚が好きなのですが、祖母の言葉が思い出され、イワシは梅や生姜と一緒に煮ています。又は塩を振ったイワシにローズマリーの葉を散らし、オリーブオイルも垂らしてしばらく置き、焼いて頂きます。そうは申しましても背がピカピカ光ったイキのいいお鮨屋さんの鰯には、つい手が出てしまいます。余談ですが、ローズマリーを育てておくと、様々なお料理に重宝します。手間もかかりませんのでひと鉢育てて見られませんか?他にもこの6月から7月にかけて最も美味しいと言われる魚に、「アナゴ」があります。私は天ぷらにして頂いています。

この季節の家庭の仕事と言えば、梅酒作りでしょうか。

母が存命の頃は、自宅の庭で実ったみずみずしい大きな青梅を届けて貰っていました。母がやっていた姿を思い出しながら、梅を洗い、せっせと「なり付き」を竹串で取ったものです。私はワインやブランデー、リカーに氷砂糖や黒糖と共に漬け込み、今でも10本ほど保存しています。暑くなると、夏バテ防止にこの自家製梅酒を炭酸で割って頂きます。アルコールが弱い方は青梅の砂糖漬けを作っておくと良いかと思います。母は赤紫蘇をもみ、梅干しも丹精込めて作っていました。私は、残念ながら梅干しは市販のもので済ませています。

旬を迎える野菜と言えば、インゲンやとうもろこしなどが思い浮かびます。

インゲンはカレー風味の天ぷらにするのが母の味でした。子供の頃は、熱々の揚げたてを味見と称して次々に食べ、「食べ過ぎるとご飯が食べられない。」と言って叱られたものです。インゲンが出回る頃になると、私もカレー風味の天ぷらを揚げて、亡き母に供えます。母のお味にはかないませんが、喜んでくれているような気がします。


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