ずっと夜のお遊びを忘れていました。きっかけは友人に誘われて六本木であるジャズライブに出かけたのが始まりです。
夜のお遊びと言うより、JAZZを楽しむ事を忘れていたのです。
20代の頃、親友の強い影響でJAZZの楽しみ方を覚えました。彼が言うには「音楽は聴く場所を選ぶ」と言うのです。「クラシックを本当に堪能したいなら地方の田園地帯が良いと思うよ。自然の中でこそクラシックは聴くものなのだ。でも都会ではJAZZやロックかな。」
すっかり足が遠のいてしまいましたが、今もジャズ喫茶はあるのでしょうね。私の青春は地下の薄灯りの中の喫茶店でコーヒー片手に洋盤から流れるジャズにありました。ある時は日比谷の野外音楽堂で次々にステージに立つジャズバンドの様々な音色に酔いしれました。そのイベントは夜を徹して開催され明け方はフラフラしながら帰った記憶があります。私はどちらかと言うとボーカルの入らない演奏のみのジャズが好みでした。当時は「モダンジャズ」を「ダンモ」と言ってこぞってコルトレーンのサックスの音色を追いかけていたように記憶しますが、私は昔ながらのオーソドックスなスタンダードナンバーも好みでした。楽器はやはりピアノとサックスが好きです。そう言えば、ジャズ用にコーディネートしたオーディオセットと共に好きなLPがトランクルームに入ったままになっています。
子供が誕生した頃は地方のゆったりとした環境に居ましたので、当然のように子供達にはピアノを始めさせ、クラシックのオーケストラや室内楽の演奏があれば、できる限り子供を連れで鑑賞しました。そのお陰だと思いますが、音に関しましては長年子供のレッスンに付き合った事もあり、良い音かどうか聴き分けられるようになりました。詳しく書くと、ピアノであれば大体最初の一音で好みの音かどうかわかります。それは音色を弾き手ご自身が耳で作るものだからです。
さて、話が横道に逸れそうになりました。私は子育てが終わってからもジャズっぽい軽音楽を聴くことはあっても、あの時代のJAZZに戻る事はありませんでした。
今年の八月の中頃の事です。町田のINTO THE BLUEというジャズバーで鈴木良雄さんのベースと福田重男さんのピアノのデュオがありました。
ジャズバーは狭く、客席もそんなにありません。つまり演奏者との距離がものすごく近いのです。カクテルを片手に日本のトップクラスと言われるお二人の演奏にときめいたり、心を揺さぶられたりしました。最後にはお二人とお話をさせて頂き、気さくなお人柄に一層の思い出ができました。
こんなにリラックスした外の時間は久しぶりの事でした。
これからもクラシックだけではなく、好みの演奏家を探して夜のお出かけを楽しみたいと思っています。
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