人柄を話す時に「あの人はいい人ね。」とよく言います。逆に「あの人は悪い人ね。」とは余り言いません。「いい人」とは文字通り良い人柄の事を指すのでしょうか。
「いい人ね。」と自分が言われていると聞いて、言われた人は悪い気はしないでしょうが、この「いい人」と言う言葉はなんだか曖昧だなあと思う時があります。もしくはその程度の軽い言葉なのでしょうか?
誰しも心の内ではいい人でありたい、と思っているのではないかと思うのです。しかし、「いい人」と言われるために過度に振る舞い「あの人は八方美人ね。」と噂される人もいます。
「いい人」と言う言葉を真面目に考えてみると、真意がどこにあるのか、本当に難しい「言葉」だと思います。
それは使う側の感情的な好みや打算が入っている場合があるからです。本気で思っていないのに、話の流れで単に同調して言う時もあります。誰からも「いい人」だと太鼓判を押されているような人と実際付き合ってみたら意外と自分本位な人だった、と言う経験をした事があります。できれば、自己中の人とは付き合いたくないのですが、そのような人は溢れています。
元々、人を評価する言葉選びは難しいものです。
「真心で人と向き合う」と片方で思っていても相手がそう思っているとは限りません。人それぞれ、思いも受け取り方も違います。ここにコミュニケーション力が問われると思うのです。それから人をみる洞察力も。
「いい人」と言う言葉に限らず言葉とはある種、曖昧なものだと思います。それは同じ言葉を使っても、使う人が皆同じ感覚や意味で使っているとは限らないからです。
それでは、「いい人」とはどのような人の事を言うのでしょうか?
言葉を変えれば、「本当にいい人」とは、「信頼できる人」のことだと考えます。
私にもその「信頼できる友」がいます。皆それぞれに個性は違いますが、長い付き合いが出来ている事が証です。お互いがいつも相手に対して真剣な気がします。そのような友に、あえて「いい人」という言葉を使うことはありません。私は友がいい人であると信頼した上で全てを受け入れているのですし、友も私をその意味で受け入れてくれていると思っています。
「いい人」が「どうでもいい人」には決してならないように生きていきたいものです。
ESPOIR 〜希望〜をもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。