私達の暮らしの中に定着しているのは日本茶(煎茶・玉露・番茶)です。でも、晴れの祝い日、例えば結納や婚礼などによくお出しするのは「桜茶」(さくらちゃ)です。お抹茶のお茶事で待合(茶席に入る前に身支度を整える所)に出す時も桜茶を使う事があります。
このように香煎茶とはお茶の代わりに出される飲み物です。
「香煎茶」には色んな種類があります。先ほどご紹介しました「桜茶」の他にもお正月に頂く「大福茶」(おおぶくちゃ)、二月の節分に頂く「節分のお茶」も香煎茶と言えるのではないのでしょうか。香煎茶は「香煎茶」としてお茶売り場で扱っている所もあります。またこのお茶は通販でも買えます。
その他に「昆布茶」のように日本茶ではありませんが古くから親しまれて来た飲み物があります。「柚子茶」もありますね。柚子茶は自動販売機でも扱っています。でも、あまり美味しいとは言えません。ご自分でお作りになると、好みに合わせられ本当に芯から温まってまいります。
桜茶を始め、香煎茶をご自分で作る場合のご紹介を致します。
「桜茶」は桜の花を塩と梅酢につけたものです。お茶屋さんは元よりデパートやスーパーのお茶売り場でも扱っています。「桜茶」はお湯にふわりと広がる桜の花びらがとても美しい飲み物です。春先だけではなく様々な祝い事のシーンで多く使われます。お吸い物として、あっさりしたお出汁にあられと共に浮かべても素敵です。桜茶は小房に分けて、一碗に一房か二房を使います。瓶詰めや袋売りの桜の塩漬けは、そのまま使うと塩気が強い事があります。塩漬けの桜は振って塩を落としたり軽く洗ったりします。ただし、洗いすぎるとせっかくの香りが抜けるので注意しましょう。この塩漬けの桜にお湯を注ぎます。花びらが広がったら出来上がりです。金箔があれば少し散らしても豪華になります。この桜茶はお湯と共に桜茶も頂きます。
「大福茶」(おおぶくちゃ)は一年の無病息災を祈ってお正月に頂きます。これは昆布や梅干を湯呑茶碗に入れ玄米上煎茶を淹れたものです。お茶は上煎茶を使い小さいあられを浮かべてもよろしいかと思います。熱いので火傷に気をつけてお召し上がりください。「大福茶」としてお茶売り場で扱っている所もあります。
節分には「福茶」を豆まきの後に頂きます。これは湯呑茶碗に塩昆布、豆まきで使う豆3粒、梅干を入れてお番茶を注ぎます。塩昆布がない時は昆布を結び、塩を少々入れても構いません。
私が学んだ煎茶道では節分前後にお茶会を開きます。その時は、お釜で煮たてた湯に番茶の入った袋を入れ、また釜の中に炒豆も入れておき、柄杓(ひしゃく)ですくって湯呑茶碗に炒豆が入った人は「当たり!」と大声で言って福を授かったと喜び、皆で楽しんだものでした。
次に冬の飲み物の作り方をご紹介いたします。
「昆布茶」はお茶屋さんだけではなく、デパートはもちろんのことスーパーでも扱っています。お湯を注いで好みの濃さで味わって下さい。昆布茶の使い道はそれだけではありません。お吸い物や、お料理にも活かされます。風味を増すので和風のピラフに隠し味として使う事もあります。
私が子供の頃、寒くなると母は金柑を甘く煮て「金柑茶」を作ってくれました。私は身体が弱く、すぐに風邪を引いたからです。熱い湯呑茶碗には砂糖で艶のでたとても甘い金柑が入っていました。でも実のところ、母の金柑茶は甘すぎて喉に絡みつくようでした。今思えば、懐かしいお味です。
私は子供達が風邪気味だと、レモンの輪切りと多めの蜂蜜に熱い湯を注いで飲ませていました。今は娘たちが自分たちで作っています。
この冬には金柑を甘く煮て、母のように「金柑茶」を作ってみたいと思っています。
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