今回はお茶を頂く時の作法をご紹介します。
煎茶茶碗はお茶托に乗せて出す、とご存知でしょうか。私の先生はこの二つは「かみしもと袴(はかま)の関係」とおっしゃいました。つまりトップスとボトムスの関係と言う事です。上着だけで歩く人はいませんよね。縦長の筒形の茶碗も茶托に乗せるのが作法です。
お茶を頂く時は、お茶碗を上から手の形を半月(写真参照)にして取り①、左手に乗せ②右手をお茶碗に添わせます③。
この時の扱い方を「三手(みて)扱い」と言います。「三手扱い」は煎茶茶碗の丁寧な扱い方です。
蓋付きの煎茶茶碗でいただく場合、蓋の取り方が問題です。これも「三手扱い」で取ります。まず、つまみを右手で取り①、次に蓋を裏に起こしながら左手の親指と人差し指で挟み②、右手の親指と人差し指で蓋の裏の右側を持ち煎茶茶碗の右横に置きます。
「三手扱い」をする場合は茶道には他にもありますので、その都度ご紹介します。
お茶はまず感謝の一礼をし、お茶碗の中のお茶の色の美しさを見て、次に香りを楽しみ、そして口中で味わうもので五感につながる飲み物です。
「お茶をどうぞ」は日本の昔からの習慣でもあり、「おもてなしの心」でもあります。
お茶の産地は本州までと聞きますが、宇治茶、静岡茶、八女茶、知覧茶、嬉野茶などと種類が豊富です。産地によって製法も違います。
今はお茶のソムリエと呼ばれる人達が居て、ブレンドしたお茶も人気があると聞きます。私は29歳から煎茶や礼儀作法の先生をする事になりましたが、同じお茶でも淹れる度にお味が違い、その難しさを痛感してきました。お茶は本当に繊細な飲み物です。
これは余談ですが、私は以前、食事の後に番茶を自分で焙じて(当時はお茶屋さんで購入した焙じ器を使っていました)温めた急須に入れ、その中に熱々のお湯を注いで(その時ジュッと音がします)自家製のほうじ茶を作って頂いていました。古くなったお煎茶も軽く焙じると、又さっぱりとした味わいに変わり楽しめます。
今は金沢の棒茶をよく頂きます。香りがよく、気に入って飲んでいます。
古くなったお茶は新しいお茶缶を洗う時に使うと良いですよ。新しいお茶缶に少量の古いお茶を入れ、蓋をしてよく振ります。そのお茶は捨てて、好みのお茶を入れてお茶缶を使います。(お茶は湿気を嫌うので、決して水では洗わないで下さい。) この様にすることを「お茶で洗う」と言います。
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