二月(如月)の頃

2月の行事、節分のお豆とお面です。

今年はエルニーニョ現象の影響で暖冬と言われています。しかしながら、大寒を過ぎたこの頃は、やはり寒さの厳しい日々が続きます。私もめっきり外出が減りました。

私はスマホの天気予報に、今まで訪ねた旅先の天気を全部入れています。天気をチェックする時、スクロールすると各地の予報が見られます。東京は晴れていても札幌は雪だと言うように。私はその天気予報を見てその土地の今日の様子を想像するのです。すると、東京にいて思い出の土地をもう一度訪れている気持ちになります。中でも能登半島は一昨年十月に訪ねた所であり、報道機関で知る通り「能登半島地震」で大変な事態です。せめて雨や雪が少なく、一刻も早く復興する事を祈らずにはいられません。

私はこの寒さの一番厳しい頃に生まれました。その為でしょうか。子供の頃は、冬が大好きでした。九州の生まれですから滅多に雪は降りません。たまに降ると、その美しさにただただ感動していました。こんもり積もった雪が大きく揺れて、中からみずみずしい山吹の花が現れた時の驚きは今も忘れられません。

さて、今月はすぐに「節分」、二十四節気(にじゅうしせっき)のひとつ「立春」と続きます。

「節分」の豆まきは鬼に見立てた邪気を払う行事です。そして年齢の数だけその豆を食べて、福運と無病息災を願います。また、今年の恵方「東北東」に向かって太巻き寿司を食べ、福を呼ぶという関西地方の風習もあります。

我が家では三日、夕食後テーブルの上を片付けて、豆まきをします。その後、塩昆布と豆まきで使う大豆3粒と梅干しを大きめの湯呑茶碗に入れ、番茶を注いだ「福茶(ふくちゃ)」を頂きます。さすがに年の数の豆を食べよと言われても、私の数は多過ぎます。ですから10を1粒として食べています。恵方巻きを頂く年もあります。

翌日の四日には出雲大社相模分祠の「立春大吉縁起」を家の高い所に貼ります。今年は甲辰(きのえたつ)の年、お神札は深い緑の色です。甲(きのえ)とは物事の始まりを意味します。また、辰(たつ)は隆盛の象徴とも言われます。今年が良い方向に向かう事を祈らずにはいられません。

今は一般的ではないようですが、二月最初の午の日は「初午(はつうま)」と言い、稲荷神社の祭日となっています。茶道のお稽古では茶杓や抹茶碗にこの時期「初午」と言う「名」(めい)をよく使いました。

二月十九日は二十四節気では「雨水(うすい)」にあたります。お雛様を一年振りに飾ってあげましょう。

昔、祖母に言われました。「二月は逃げ月、あっという間に過ぎますよ。」 日々を大切に過ごしたいものです。

今月はMAIさんのピアノ演奏で「冬景色」をお届けします。本格的な春が近い事を祈ります。


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