香りについて

香水瓶と女性の愛する小物のイメージです

朝の身支度と言えば、おおかた洗顔に始まり化粧をし、着替えをする事でしょう。あなたのそのルーティンの中に「香り」はありますか。

私は香りを着ける習慣を大切にしています。

20代の始めからさまざまな香りに出会ってきました。香りとの出会いは 、私を可愛がってくださったご婦人(藤井さん)のパリ土産に頂いた「アンティークの香水瓶」です。

さて、その小さな香水瓶はガラス製ですが、その表面に金属性のベルトが斜めに交差して飾りになっています。香水をつけるガラス棒のついた蓋の先端にはグリーンの丸いガラスが鈍い光を放っています。恐らく携帯の香水瓶でしょうね。

「パリの蚤の市で見つけたのよ。」と藤井さんはおっしゃいましたが、どのような女性の持ち物だったのかと想像が膨らみます。

香りの使い方にはちょっとした注意が必要です。外国の方とは違い、日本人はシャボンの香りを好む民族ですから、付け過ぎたら品を欠きます。TPOに気をつけるのは最も大切な事です。特にお葬式での香水はタブーです。食事会でも、なるべく遠慮をした方が良いでしょう。クラシックの演奏会で、お隣の席の女性から当時人気だったゲランのサムサラの強烈な香りが漂よい、それが気になって音が耳に入ってこない嫌な経験をした事があります。

私は今、香りを夏と冬で使い分けています。夏にはシャネルの18番、冬にはシャネルのリュカンボンをかなり長い間愛用しています。それぞれの香りは違いますが、両方ともトップノートよりラストノートの香りが素敵で気に入っています。付けた香りは、単独ではなくつけた人の香りと交わって、最後にオリジナルの芳香を作り出してくれます。

年代によって、選ぶ香りは違いました。30代の頃は、シャネルのNO.5を良く使いました。40代にはゲランのシャリマーが好みで、パフュームやトワレだけでなくシャボンやボディパウダーまで合わせて使い、楽しみました。

私好みにオリジナルで調合して貰っていた時期もあります。シャネルとゲランの名前を出しましたが、様々な化粧品メーカーやブランドから香りが出ています。ワインのテイスティングのように店頭で試してみて、しばらく店内を巡り、ラストノートでお決めになるのもいいでしょう。

最近はコロナ禍でもあり、家にいる時間が多いので、私は気分でクラランスのコロンを身体に直に吹き付けています。夜休む前には、娘のイタリア土産のレモンの香りの練り香水を、手首にちょっと塗りつけて休みます。

あなたに合った香りと出逢われる事を願っています。香りは臭い消しではありません。

心に働きかけてくれる魔術師です。


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