和室でのマナー①からの続きです。
あなたは和室に入り、その家の主人に座る場所を案内されました。部屋の中央に置いてある座卓の下には座布団が敷いてあります。あなたはご挨拶をして、座布団に座りますが、きれいに座るにはどうしたら良いのでしょう。まず、座布団についての話とその座り方と立つまでを説明します。
③ 座布団への上がり方とおり方
座布団の事からお話ししましょう!
・座布団には表と裏があります。座布団の真ん中の房がある方が表です。
・出す時は座布団の縫い目のない方に客のひざがくるようにします。
・勝手に座布団の位置をずらしたり、座布団の上から挨拶したりするのは不作法な行為です。
・座布団は勧められてから座ります。
・挨拶は座布団を外した部屋の床(とこ)から見た下座(げざ)に座ってします。
座布団の座り方
(1)まず座布団の下座側に正座し、軽く会釈をします。その後、踵(かかと)を立て、跪坐(きざ)の姿勢をとります。
*跪座とは正座からかかとを立てた姿です。
(2)軽く拳を握った手を座布団の前右角と左角と後左角の中央あたりについて体を座布団の方に片足ずつ乗せます。
(3)軽く拳を握った手を支えにして膝行(ひざで進む事)で座布団に入ります。
(4)座布団の中央に座り、膝頭をそろえます。
座布団のおり方
(1)上座側の軽く拳を握った手を後ろにつきます。
(2)体を斜めに向け、両手で体を支えながら膝退(ひざで後ろに下がる)して徐々にお床とは反対の方の後ろに下がります。
(3)両足が座布団から出たら、おりたところで正面を向き正座をします。
④ 正座の仕方
正座をする時のコツは両膝(りょうひざ)と重ねた足の先が三角形になるようにする事です。着物の場合は握りこぶしひとつ分、膝(ひざ)を開けます。洋服の場合は握りこぶしの半分ほど膝を開けると意外にも楽に座れます。
重心は前にかけます。そして浅く足の指先を重ねます。
痺れが来そうな時は重ねた指を重ね替えるとバランスが変わって楽になります。また、跪坐の姿勢をとる事もお勧めです。これは私がお茶のお稽古や礼儀作法で習った座り方です。
⑤ 和室でのお辞儀
和室では座ってお辞儀をします。その事を座礼と言います。座礼にはいくつか種類があります。
*軽いお辞儀(会釈)
手をひざ前ハの字にして指先を畳につけます。上体を15度くらいに倒します。お茶の作法では草(そう)のお辞儀に当たり、比較的軽い挨拶の仕方です。例えば、お茶を頂く時次客(隣の人)への挨拶などに使います。
*一般的なお辞儀(普通礼)
手はひざ前ハの字にして指先第二関節くらいまで畳につけます。上体を45度くらいに倒します。お茶の作法では行(ぎょう)のお辞儀になります。
*儀式などの正式なお辞儀(最敬礼)
手はひざ前ハの字にして手のひらを全部畳につけます。上体を70〜75度くらい倒します。
お茶の作法では真(しん)のお辞儀になります。なお、頭を上げる時ゆっくり上げると優雅に見えます。このお辞儀はお茶の作法で言うと、客と亭主の挨拶で行います。
慣れるとなんでもない事ですが、和室のある所で何度でも練習してみて下さい。
以上が正式な和室での作法です。
*写真は床を背に正座し、草(そう)のお辞儀をしている少女です。
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