建功寺の枡野(ますの)ご住職を訪ねて

枯山水の日本庭園です。

本を読んでいると、この著者に会ってみたいと思う時があります。

私は書物から多くの事を学んできました。よく考えてみると、小説を読む時も経済誌を読む時も内容もさることながら結局は書き手の人間性や考え方に注視しています。私は生きると言うことは簡単ではないと年を追うごとに実感してきました。人は小さい事から大きい事まで、絶えず選択を余儀なくさせられます。その結果が今の人生の軌跡と言えなくもありません。その中で、人とのつながり無くしては生きられませんが、その関係性には様々なケースがあり、一言でまとめられない奥深いものです。一体どういう姿勢で生き続けたら良いのか。その様な疑問が常にありました。

もうかなり前の事ですが、ふと本屋で手に取った一冊にPHP文庫「美しく、心地よく、生きる」枡野 俊明(ますの しゅんみょう)著があります。

昨今、日本だけではなく海外の有名人が禅の考えを取り入れ、瞑想を日課にしていると言う話を聞きます。テレビでも「永平寺」を始めとする禅寺が取り上げられるようになりました。

この本の著者、枡野さんは禅寺・建功寺のご住職 でいらっしゃいます。悩み、迷い、焦り、イライラ、クヨクヨ‥そんな毎日に禅の発想を取りいれて、心をおおらかに、と最初にこの本で提案されています。優しい語り口で書かれていますが、毎日の生活に是非取り入れたいと思わせる説得力があります。

お茶室の掛け軸には禅語が書かれている事が多く、様々な禅の言葉に出会ってきましたが、この本を読んで初めて深い意味を理解した言葉もありました。

ちなみに本の中で私が一番好きな禅の言葉は、「而今」(にこん)です。

私達が生きているのは、過去でも未来でもなく、「今」この瞬間だけだと言う意味です。だからこの瞬間、瞬間を精一杯生きようと言う前向きな言葉です。以前、苦境に陥りやっとの思いで乗り越えた時、実感している「今」と言う感覚はすぐに去り、また「今」と言う瞬間があるのだと思いました。この言葉は最初に書いてあるのですが、私の心にすぐに飛び込んできました。

先月、著者でいらっしゃる枡野ご住職にお会いする事が出来ました。失礼を承知でご印象を申し上げると、沢山の事を深くご存じなのに全く清らかで透明感があり、お言葉は温かくお優しいのです。禅を本当に極めていっている人のみが持ち得るオーラとでも言うのでしょうか。お会いしている事が不思議な感じさえ致しました。

ご住職はお話の中で、呼吸を意識する事の大切さや自然との触れ合いで人は癒される、と語られました。

建功寺は数年前本堂を新しくされたそうです。本堂の裏には山が広がっています。本堂は新しく、本堂の周りの自然の木々との調和を図っているとの事でした。日本庭園も昨年よりしっくり周りに馴染んで美しく見えました。遅ればせながら、ご住職は日本庭園のデザイナーとしても世界的に有名な方です。

私は毎日寝る前に、ご本に目を通します。心穏やかな日々を過ごす為に、祈りのような気持ちで読んでいます。

枡野さんの著作は他にも沢山あります。皆様もその一冊に出会われるよう強く願っています。

枯山水の日本庭園です。
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