今日は大晦日

除夜の鐘です。

今年の風邪はしつこいと聞いていました。かからないように気をつけてはいましたが、無理をして出かけ、帰宅したら体が重く、何か訳がわからないものがどっと押し寄せたと感じた途端、もう何も飲み込めなくなっていました。喉からの風邪です。すぐかかりつけの病院に駆け込みました。それから十日ほど、薬のせいで口の中にはまだトラブルがありますが、やっと起きあがれました。

その間にうつらうつらと夢を見ました。夢は時に奇怪なものも見せます。

かなり前の事ですが、その時も私は長患いで臥せっていました。その夢はお坊様が経机(きょうづくえ)の上に経本を広げて声に出して読んでいるというものです。そのお坊様は袈裟をつけたお姿でしたが、一人ではありません。その数ときたら延々と列をなし縦横に広がりどこまでも同じ姿勢のお坊様が読経されているのです。その声のあまりの凄まじさに目が覚めました。宇宙がお坊様の読経の声で唸っている様に感じました。何かの知らせかと起き上がり、灯りのついたリビングに行くと、次女がうたた寝をしていました。

宇宙には梵鐘(ぼんしょう)をついた時と同じ音が流れている、と聞いたことがあります。

話だけではありません。その音を私はネットで聴きました。梵鐘の音も様々なのでこれとは言い切れませんが、確かに深く広がりを持った似た音でした。大晦日には108の鐘を撞き(つき)、煩悩を祓う(はらう)と言いますが、人間の煩悩とは深いものです。果たして祓い切れるものでしょうか?それとも、私が夢で見た読経の声がかき消してくださるのでしょうか。夢を見た後、そのような事をつらつら考えました。

あと数時間で今年が終わり、来年という年が今になります。

形を変えてみれば、そんなに大騒ぎをする必要はないとも思えますが、「新しい」と言う言葉には魅力があります。「新しい年」と言う言葉には全てを凌駕(りょうが)するような「力」があります。その力を頂くために思いを込めて音で煩悩を打ち破る、そう思うと鐘を撞き鳴らす手にも力が入るのではないのでしょうか。その鐘の音を聴いている者の思いも変わります。

今年もご愛読いただき、ありがとうございます。来年も引き続きどうぞよろしくお願い致します。


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