五月は皐月(さつき)とも言います。爽やかな上天気を五月晴れ(さつきばれ)と称します。四月末から始まったゴールデンウィークの五月五日には端午の節句(今は子供の日と言います)を迎えます。昔は男の子が誕生した家庭では敷地内に大きな鯉のぼりを泳がせ、古の武将と共に子供の名前を染めた幟(のぼり)や旗をひるがえさせて男の子の誕生を知らせたのです。男の子が産まれた家では、その日お祝いの宴が開かれ、家族だけではなく親戚や知人が集まって子供の誕生を祝し、健康であれ、幸多かれと願いました。この風習は、まだどこかで見られるのでしょうか。私もそのお祝いの席に呼ばれた事があります。ぷっくりした男の赤ちゃんでした。赤い頬や小さな手足に比べその泣き声の大きかった事を思い出します。赤ちゃんは、泣き声さえも周りに幸せを感じさせると思いました。
今、都会では滅多に大きな鯉のぼりの泳ぐ姿を見る事はありません。幟や旗など知らない人もいるのではないのでしょうか。
旅行を楽しんだり実家に帰って一息入れた五月上旬の連休が終わると、急に夏を感じます。思い出したように、夏の衣類の整理を始め、寝具の見直しにかかります。もちろん、出し忘れた冬物のクリーニングもこの時期に出しておかねばなりません。靴箱の見直しも大切です。冬のブーツがそのままだったりしませんか。来年ちゃんと履けるように、風を通し革靴は磨いておきます。害虫が来ないように防虫剤を置いたり、外から侵入しないように殺虫剤を家の周りに撒いたりします。
下旬にはもう梅雨の走り、気温が急速に上がり上旬の爽やかさと打って変わって湿度が高くなり、雨具の準備が必要です。ビニール傘は傘を通して雨粒や景色が見られて良いですが、お気に入りのカラフルな傘が一本あると雨も楽しいものです。お洒落な雨靴も良いですね。残念ながら、私はまだお気に入りの雨靴が見つからず、雨の日もスニーカーです。
雨に濡れたバラの花、そろそろ紫陽花も色を付け始めています。雨が降り始めたら、外を歩いてみませんか。会社帰りでも、少し歩調を遅くして雨を楽しんでみて下さい。
今回はMAIさんのピアノ演奏で北原白秋作詞・山田耕作作曲の「からたちの花」をお届けします。昔は生垣などに植えたというミカン科の「からたち」、春の終わり頃に白い花をつけます。この歌詩は作曲をした山田耕作の少年期の体験が元になっていると言います。
どうぞ、お楽しみくださいませ。
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