人前でも恥ずかしくない会席料理の食べ方

接待などで食す会席料理の食べ方のご紹介です。

会社での接待や親戚の集まりなど、日本はおもてなしを大切にする国ですから、会席料理を頂く機会も多いと思います。

会席料理は、江戸時代に料理茶屋が始めた「もてなし料理」が最初とされています。「会席」とは茶会や俳諧の席などのように多くに人が集まる会合の事です。

会席料理は、初めから膳に料理を並べておく形と懐石風に一品ずつ各人の前に運ばれる場合があります。結婚披露宴で出される和食の形式も概ね会席料理です。

因みに煎茶道を教えている時、お茶会を開く際には、度々松花堂弁当を作ってお弟子さん達と楽しみました。松花堂弁当は懐石料理の流れを汲むもので、一般的に言われる幕の内弁当とは違います。機会があればこの話もしたいと思います。

まず会席料理には厳密なルールがありません。お茶事の懐石料理とは違い、お料理の順番や種類が違うこともあります。

一般的に会席料理のコースは、先付け(前菜)―吸い物―向付け(お造り・お刺身)―煮物―焼き物―蒸し物―揚げ物―酢の物―ご飯・香の物(漬物)・止め椀(味噌汁)―水菓子(果物)の順で出されます。

お料理のいだだき方の注意点をいくつかご紹介します。

通常お料理は一品ずつ出されますが、あらかじめ全部出される場合もあります。特に披露宴などでは全部出されている場合が多いようです。一品ずつ出される場合、まだ食べ終わらないうちに次の料理が出される事があります。でも、気にせずに手をつけた料理をゆっくり味わってから次のお料理に移りましょう。また、西洋料理と違い平皿や大鉢などを除いて基本的に器は手で持って食べます。吸い物は普通、蓋付きの椀で出されます。蓋が取りにくい時は椀の縁を両側から押すようにすると楽に取れます。食べ終わったら蓋は元通りにかぶせます。

次にそれぞれのお料理での注意点や食べ方のコツを述べます。

・先付けは旬の物が取り合わされます。たまに串に刺したものが出て来ますが、お箸で押さえて串を引き抜いてから食べます。

・吸い物は目上の人が同席された場合は、まず目上の人が蓋を取ってから取るようにします。蓋は以前蓋付き湯呑みでお話ししました三手扱   いで取り椀の右側におきます。

・向付け(お造り、お刺身)を頂くときは基本的には手前から順に頂きます。

・焼き物ですが切り身や尾頭付きの魚、エビ、ホタテなどが出てきます。殻付きのエビや尾頭付きの魚、貝料理は手を使って食べても構いません。エビは懐子で頭を押さえ、身と頭を分けたらお箸で切り分けて食べます。尾頭付きの魚は頭側から、切り身は左から箸をつけます。上身を食べ終えたら骨と身の間にお箸を入れて骨を外します。骨は向こう側に置き、残りの身を頂きます。残った皮や小骨は見苦しくないように隅の方に寄せておきます。

・煮物は蓋付きの煮物椀で出されます。大ぶりの椀の場合は椀を置いたまま汁がこぼれないよう懐子や椀の蓋で煮汁を受けながら頂きます。

・止め椀はコースの締めくくりにご飯や香の物と共に出されます。止め椀が出されたらお酒は切り上げます。

・最後に水菓子(果物)だけではなく、抹茶と和菓子が出てくることがあります。この時は以前書きましたように、まず和菓子を頂いてからお抹茶を頂きます。

以上が会席料理を頂くときのポイントです。

これも以前ご紹介しましたが、懐子を持参されていると、何かと便利です。遠くに置いてある料理を口元に運ぶ場合には、こぼさないように吸い物の蓋を使うか懐子をお使いになると良いと思います。どうぞ美しいお箸づかいでお召し上がり下さいませ。


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