私達は子供の頃から、様々なシーンで挨拶の仕方を覚えてきました。幼稚園や保育園に入る頃にはすでに「おはようございます」と言う言葉を覚え、頭を下げると言う事を知っています。
人と人との関係は、概ね挨拶から始まります。その挨拶の意味をご存知でしょうか。
挨拶と言う言葉は、本来「禅」の言葉だそうです。禅僧達が、その悟りの状態を「挨」と「拶」という問答によって推し量ったとか。
今の私達はコミュニケーションのツールとして挨拶を理解していますよね。その挨拶も気持ちがこもっていないと、すぐ仕草に現れて昔は親に叱られたりしたものでした。
挨拶の仕方によっては死も免れない時代があったと聞けば、あなたの背筋は伸びるのでしょうか。私が習った礼儀作法は元々士族、武家社会で発達してきたものです。先生は「なぜ背筋を伸ばして挨拶をするのか」の意味を教えてくださいました。
刀を腰につけた武士が玄関先に立った時、家人は正座をして挨拶を受けます。この時背筋を伸ばして頭を下げれば、頭を下げていても眼差しは先を見つめ相手の気配を感じる事ができます。でも、丸まった背中だと眼差しは下、又は自分の後方を見つめる事になり、気配をシャットダウンしてしまいます。ちょっとこの二つの違いをやってみてください。もしかしたら相手は今、刀に手をかけているかも知れません。
この緊張感、想像するだけでも怖いですね。
だから、背筋は伸ばしたまま頭を下げるのだと言われました。納得しませんか。
挨拶にも真・行・草とあります。簡単に言えば「真」は上司や目上の人など地位の高い人にする丁寧なお辞儀の事で、謝罪の時にもこのお辞儀になり、立った姿勢では大体45度位背を倒します。「行」は普段によく使われるお辞儀で感謝の気持ちを表す時などで、背を30度位倒します。「草」はほんの少し頭を傾ける、角度で言えば15度位、例えばすれ違った時の挨拶、お抹茶の席では「お先に」と次客に挨拶する時などです。他にアイコンタクトと言う敬意の表し方で目礼と言うのがあります。
何気なくする挨拶にも意味や歴史がある、面白いと思われませんか。
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