「夏至」と白夜:旬の食べ物

雨に打たれるアマガエルです。

6月21日は二十四節気の「夏至」(げし)にあたります。

一年で最も日が長く、夜が短い日とされます。ちょうど梅雨の真只中、日差しは少ないのですが、日毎に暑さが増しています。「夏至」は夏に至ると書きますが、実際は8月に一層暑くなります。そのわけは、地表や海が暖まるのに時間がかかり、一旦暖まるとその熱を保持するからだそうです。それは、大気に暖まりやすく冷めにくい性質があるからだと言います。暑さのわけは、日照時間だけでは無いようです。

この「夏至」の頃、北極圏では白夜(びゃくや)が始まります。

随分前になりますが、「白夜」の北欧に行った事があります。時計は真夜中の12時近くを指しているのに、カーテンを開けると、ぼんやりと外が明るいのです。外の建物も何もハッキリ分かります。その事に体が慣れず、何度も起きだしてよく眠れませんでした。日の出と共に朝を迎え、日が沈み暗くなると夜になる、と言う私達のメリハリのあるあたりまえがそこでは違う、そのような国がある事を知って暮らしの多様性に思いを馳せた事でした。

「白夜」(ホワイトナイツ)と言う言葉で思い出すのは、ミハエル バリシニコフ主演の映画です。

彼は旧ソ連出身(キーロフバレエ団)の有名なトップダンサーです。1974年「さまざまなバレエのスタイルを勉強したい」として、アメリカに亡命しました。映画の中で随所に見られるバリシニコフのダンスは圧巻で、時代を表現した内容にも感動しました。

ところで、この頃食べるとされるものに、蛸(タコ)が挙げられます。

この時期農家では、田植えの真最中です。植えた苗が蛸の足のように田んぼの八方に根付くようにと、豊作への祈りを込めて食べられると言います。また野菜では、冬瓜(とうがん)やカボチャが挙げられます。冬瓜は、水分を多く含み、カリウムやビタミンCが豊富なので夏バテ防止に効果のあると言われます。私は冬瓜を一口大に切り、薄味をつけた出汁で煮ます。最後に出汁に片栗粉でとろみをつけ、生姜のすりおろしを少し乗せてテーブルに出します。カボチャも煮物や天ぷらにして頂きます。カボチャはビタミンAやカロテンが多く含まれ、免疫力を高める食べ物です。京都ではこの時期「水無月」(みなづき)と言う和菓子が出回ります。水無月については以前詳しく書いています。(水無月の記事はこちら)

「夏至」は本格的な夏の始まりを告げる日とも言えます。夏バテしないように食事をしっかり摂って日々を過ごしたいものです。

私たちは本当に季節に寄り添って生きているのですね。普段は気づかなくても、このように二十四節気という切り口で調べながら書いているとその時期の様々な思い出も蘇り、改めて我が国の自然や四季に感謝の気持ちが湧いてきます。特に食の元である農業を先人はどれだけ大切に生きてきたか分かります。樹木や草花も季節に合わせて育っているのだと実感します。

 


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